現代サイドバックに求められる役割は多義に渡ります。
その理由は他のポジションに比べて、チーム事情に左右されることが多いからです。
チームごとに役割が違うので、当然要求される能力も違います。
基本となる能力を備えた上で、監督の求めるサッカーを実現できる強みをもった選手が重用される。
これが現代のサイドバックです。
そんな多様化しているサイドバックの役割について書いていきます。
☑ 本記事の内容
- サイドバックの基本的な4つの役割について
- サイドバックの進化した5つの役割について
- サイドバックに必要な5つの能力について
これを読めばサイドバックのことがわかります。
では早速解説をしていきます。
サイドバックの基本的な4つの役割について解説!
- 相手を自由にさせない守備
- 味方を助けるオーバーラップ
- ゴールチャンスを作るクロス
- サイドを切り裂くドリブル突破
サイドバックが求められる基本的な役割が上記の4つです。
これがどのサイドバックにも求められる基本なタスクになります。
守りながらも攻撃参加が要求される非常に大変なポジションです。
そんなサイドバックの基本的な役割についてそれぞれ紹介していきますね。
サイドバックの基本的な役割①:相手を自由にさせない守備
サイドバックの役割として、相手を自由にさせない守備が求められます。
サイドバックはあくまでDFであり、守りの選手です。
なので、本分は相手の攻撃からゴールを守ることになります。
そんなサイドバックの守備で求められるのが1対1で勝つことです。
どのポジションでも1対1で勝つことは当然求められます。
でもサイドバックが1対1を重要視するのは、他のポジションよりも1対1になるケースが多いからです。
サイドに配置される選手はドリブルが得意な選手が多く、1人で状況を変えられる能力をもっています。
サイドバックはそんな選手たちを1人で止めなければなりません。
なので、1対1で相手を止められる守備能力が必要なのです。
しかし最近の守備は、止めるよりも突破されないような守り方をすることへと変化しています。
アタッカーに自由を与えないように密着する守備を基本に、状況によって距離をとり攻撃を遅らせるやり方です。
そうすることで巧みにパスコースを切りながら、自分がボールを取りやすい位置に誘導することが可能になります。
選手の中にはわざとパスコースを空けておいて、そこに誘い込んでボールを取るのが得意な選手もいます。
そこは選手の特性やチーム事情、戦術によっても変わってくる部分です。
なので全てのサイドバックが守り方を変えているわけではありません。
自分にあった守り方、自分の強みを生かして1対1を制することがサイドバックで求められる役割です。
サイドバックの基本的な役割②:味方を助けるオーバーラップ
サイドバックが求められる2つ目の役割がオーバーラップです。
オーバーラップとは、長距離を走り攻撃にアクセントを加える役割のことで、定番はサイドMFを追い越す形になります。ようは後ろにいるサイドバックが、中盤を追い越して前線へと駆け上がり、チャンスを作るプレーです。
中盤を追い越すことによって、「ボールがサイドバックに行くかもしれない」と相手の守備者が迷うことで攻撃の幅をもたらします。他にもサイドから中に入ることで攻撃のチャンスも増やすことができます。
サイドバックが中盤を追い越すコースは多彩です。
シンプルにサイドを攻め上がるパターン。ゴール前で中に走るパターン。途中で中に入るパターン。
状況によって使い分けるとこが求められます。
そんな状況判断がうまかったのが引退したラームや現役のアラバです。
相手の守備意識が低くなった瞬間を狙い、空いているエリアへと侵入して多くのチャンスを演出しました。
オーバーラップをしてチャンスを作るのがサイドバックの基本的役割です。
サイドバックの基本的な役割③:ゴールチャンスを作るクロス
サイドバックが求められる役割の3つ目がゴールチャンスを作るクロスです。
サイドバックは後ろにポジションを置くので、比較的プレッシャーを受けずにボールを受けることができます。
なのでドリブルを使って相手の陣地ギリギリまで侵入することが可能です。
そのときに味方にパスする方法がクロスになります。
クロスはサイドから中央にボールを入れるプレーのことです。
早くて低い弾道や山なりの弾道などを使い分けて蹴れると効果的な攻撃方法になります。
このプレーから多くのアシストを狙うことができます。
クロスはそれだけ重要な役割ということです。
正確に蹴れることがサイドバックに求められるタスクになります。
サイドバックの基本的な役割④:サイドを切り裂くドリブル突破
最後の役割がサイドを切り裂くドリブルです。
サイドバックがドリブルで駆け上がることは、相手の驚異になります。
なぜなら攻撃の駒が一つ増えるので、相手の注意を分散させることができるからです。
なのでドリブルはサイドバックに必要な役割といえます。
サイドバックがおこなうドリブルの定番がタッチライン際のスペースを緩急つけて縦に抜け出すパターンです。
そこからクロスに持ち込んでチャンスを演出します。
それがサイドバックが良くする攻めのパターンです。
最近では選択肢も増え、中に入る動きも注目されています。
それをすることによって、ゴールラインと平行してドリブルができるので、DFラインの裏を突くパスが出しやすくなるからです。また、そのままシュートを打つことも可能なので、DFにとっては脅威的な戦術になります。
そういった引き出しの多いサイドバックは、相手にとって厄介な存在です。
これがサイドバックに求められる役割になります。
ようは守れて攻撃の参加も求められるポジションということです。
そんなサイドバックは、この基本的な役割に加えてチームごとに新たな役割も生まれています。
次はそんな新たな役割について解説していきますね。
サイドバックの進化した5つの役割について解説!
- CBのカバーリング
- 前線でのゲームメイク
- 後方からのビルドアップ
- ゴール前へ向かうダイアゴナルラン
- 前線からのプレス
戦術の中で生まれた役割が上記の5つです。
先程紹介した基本的な4つ役割をこなしつつ、チームごとに新しい役割が生まれています。
これらを実行できることが現代サイドバックに求めらる役割です。
この役割は戦術に幅を持たせるものになります。
なので、これができるのとできないのでは監督の信頼度はかなり変わってくると思います。
サイドバックの進化した役割①:CBのカバーリング
サイドバックの進化した役割がセンターバックのカバーです。
一昔のサイドバックは対面の相手を抑え込むことが守備の役割でした。
それがゾーンディフェンスと言う戦術が生まれたことで変化していくことになります。
状況に応じてマークの受け流しやカバーリングという役割が生まれたからです。
相手が中央から攻めてきたときにはセンターバックが空けたスペースを埋める動き。サイドからクロスが来るときは、逆のサイドバックが中に入ってセンターバックと一緒に中央を守ります。
攻めのときも攻撃をしているサイドバックとは反対のサイドバックが中に絞る動きをします。
それはセンターバックが攻撃しているサイドバックの後ろのスペースを埋めるためです。そしてもう一人のセンターバックが、空いたスペースを埋める。ようはスライドしてスペースを埋めていくので、サイドバックも動かなければならないのです。
これらはサイドバックが新たに与えられた役割になります。
サイドバックの進化した役割②:前線でのゲームメイク
サイドバックの役割に攻撃的なものも増えてきました。
それが前線でのゲームメイクです。
最近のチームは逆足のウイングを配置することが増えました。
その理由は外からのクロスではなく、中に入ることでラストパスやゴールを直接狙えるからです。
その影響でサイドバックが高い位置に張り出して、ウイングの役割をすることが多くなっています。
ウイングが空けた穴をサイドバックが埋める形です。
これをすることでサイドでおこなわれるパスワークの起点になることができます。
それが前線でのゲームメイクという役割です。
サイドバックは守備だけではなく、攻撃の役割としても重要なポジションになったというわけです。
サイドバックの進化した役割③:後方からのビルドアップ
攻撃の役割のもう一つがビルドアップです。
現在のサッカーはビルドアップが欠かせません。
その役割を担うのがゴールキーパーやセンターバック、サイドバックです。
ビルドアップとは簡単にいえば守備ラインから前線にボールを送り、攻撃に転じること。
ビルドアップに関して知りたい方は以下を参照にしてみて下さい。
【サッカー】ビルドアップとは?種類と防ぐ方法を考察。
そのビルドアップではサイドバックが大きな役割を果たします。
センターバックが横に幅を取ることで、押し上がったサイドバックが攻撃の最初の担い手になる場合があるからです。センターバックにパスが出せない場合はサイドバックが攻撃の起点になります。
そこから相手のゴールを目指すのがサイドバックを生かしたビルドアップです。
センターフォワードやウイングにパスをおくったり、ボランチやセンターバックへバックパスをしたりすることでチャンスを作っていきます。
攻撃の開始をする役割もサイドバックでは必要なのです。
サイドバックの進化した役割④:ゴール前へのダイアゴナルラン
サイドバックの役割としてゴール前へのダイアゴナルランも求められるようになりました。
ダイアゴナルランとはボールの方向を見ているDFの死角をついて、斜めに走りこむプレーです。
サイドのタッチライン際にいたサイドバックが突然中央に現れるとDFは混乱します。
その混乱によってゴールを奪いやすくするのが目的です。
急に相手の人数が増えれば守る方は対応が遅れしてしまいます。
なのでボールに関わらなくても効果的なプレーというわけです。
こうしたチャレンジはサイドバックが空けたスペースをチームでカバーするという連携がないとできません。
それができるチームは戦術がしっかりとしている証拠です。
タイミングよく相手の懐に飛び込める役割はサイドの後ろにいる選手の役割になっています。
サイドバックの進化した役割⑤:前線からのプレス
サイドバックの役割として前線からのプレスがあります。
本来は後ろ目のポジションなので、前線からプレスをすることはありませんでした。
でも現在のサッカーはサイドバックが前線に出る、攻撃のキーマンになっています。
前にいることが多いので、そのぶん守備をする場所が前になるのです。
ボールを敵の陣地で奪われたら即その位置でボールを持っている選手にプレスをかけます。
そうすることでボールを奪えるチャンスが増え、そのうえ空いているスペースを突くカウンターに対処することができます。
そのさいはパスコースを切りながら寄せられるかが重要なポイントです。
パスコースがあればそこにパスを出されてしまいます。
この前線からのプレスは集団でやる戦術の場合、かわされると大ピンチになるので諸刃の剣と言えるプレーです。
サイドバックに必要な5つの能力について解説!
- 相手に負けない守備力
- 長短のパス能力パスを出す側の目線に入ること
- 長距離を走れる走力
- 上下を行き来するための体力
- 的確な状況判断能力
サイドバックに必要な能力は上の5つです。
これらがないと先程解説した役割を遂行することができません。
どれも簡単には伸ばせませんがトレーニング次第で変わることができます。
なので能力についてとそれを伸ばす方法を紹介していきます。
サイドバックに必要な能力①:相手に負けない守備力
サイドバックはディフェンダーです。
現在は前に出る役割も多くなってきていますが、本来はゴールを守ることが仕事になります。
なので守れなければ意味がありません。
そんなサイドバックが相手にするのはドリブルが得意な選手です。
足が速かったり、技術があったりするので厄介な相手といえます。
止める方法は少しコツがいるので、とにかく練習が必要です。
一人で止められるのが最もいい方法ですが、連携しながら止める方法も知っておくと試合では役に立ちます。
上記の記事にも書いていますが、基本は前にでないこと。
後ろにながりながら奪えるチャンスを待ちます。そして味方と一緒に取ることが最善の選択です。
実際にサッカーを観ながら覚えるのが良いと思います。
サイドバックに必要な能力②:長短のパス能力
サイドバックは長短のパスを蹴れることが大切です。
攻撃の起点になるさいは短いパスをつないで相手を混乱に陥れます。
そして相手のゴール前に味方がいた場合やパスの出しどころがない場合は、長距離のボールを蹴ることで状況を打開します。
なので長い距離のボールを蹴れることが大切です。
長距離はサイドバックやセンターバックなど後ろにポジションを置く選手に必要な能力になります。
なので蹴れないといけません。
習得するならまずは動画や本を読んで蹴り方を覚えましょう。
我流で蹴れるならそれで良いですが、上手くいかないのなら型を身につけてからです。そして蹴り込むことで徐々に感覚を掴んでいくのがいいと思います。
短いパスを正確に蹴りたいなら鳥かごがおすすめです。
いろいろなバリエーションでできるので楽しみながらできます。ボールのコントロールや状況判断も身につくのでやってそんはありません。
サイドバックに必要な能力③:長距離を走れる走力
サイドバックで必要なのが走力です。
長い距離を何度も走らなければならないので、走力は必須の能力になります。
サイドバックは後ろにいながらもチャンスがあれば最前線にも顔を出さなければなりません。
そうやって攻守に貢献することでチームに貢献していきます。
なのでサイドを素早く駆け上がれる走力は大切な能力です。
走力は走り込むことや体作りが大切な鍵になってきます。
毎日続けていくことが大切です。
また同時にドリブルの技術もあれば、鬼に金棒です。
もし上手くなりたいなら以下を参考にトレーニングをしてみて下さい。
ドリブルが上達する!おすすめのサッカーDVDランキングTOP5を紹介?!
サイドバックに必要な能力④:上下を行き来するための体力
走り切ったり、上下するには体力が必要です。
サイドバックは一番体力を使うポジションだと思います。
何度もいっていますが、常にフィールドを上下しなければならないからです。
多少の下手さも体力があれば補うことができます。
なので、体力をつけることが必要です。
体力があれば後半も活躍できるので身につけておきたい能力です。
走り込みやトレーニングをすることで身についていきます。
サイドバックに必要な能力⑤:的確な状況判断能力
最後は的確な状況判断です。
試合中は自分の置かれている状況を素早く察知して、次のプレーにつなげなければなりません。
どうやって守るのか、どうやって攻めるのか、どこに動くのか、それを考えることが求められます。
そこがしっかりとできていれば、試合を有利に運ぶことが可能です。
何も考えていない人よりも多くのチャンスを作れます。
なので状況判断は必須の能力です。
これは試合中に養っていくしかないのでないと思います。
練習試合や本番の試合で考えながら、チームメイトと決めていくのが速いです。
あとはプロの試合を観て研究していきましょう。
サイドバックがチームを支える縁の下の力持ち
現代サイドバックに求められる役割は以下です。
- 相手を自由にさせない守備
- 味方を助けるオーバーラップ
- ゴールチャンスを作るクロス
- サイドを切り裂くドリブル突破
これが最低限できてなおかつ戦術的な動きが求められます。
- CBのカバーリング
- 前線でのゲームメイク
- 後方からのビルドアップ
- ゴール前へ向かうダイアゴナルラン
- 前線からのプレス
これを全て実行できるようにするには、多くの能力が必要です。
体力、技術、判断能力、身に付けなければならないことがたくさんあります。
なので、さまざまなことができる選手じゃないと生きてはいけないポジションなのかもしれません。
フォワードやセンターバックより地味に見えるかもしれませんが、とても大切なポジションです。
そんな、サイドバックはもっと注目を浴びてほしいと思っています。
今回紹介した役割以外にもチームごとでたくさんの役割があります。
それを試合の中で見つけるのも面白いかもしれません。
もしサッカーを観るならDAZN とスカパー!などがあります。
DAZNは無料体験もできます。
これを利用してみて下さい。
サイドバックのことが気になったら歴史と現状についても解説しています。
【サッカー】サイドバックの歴史と現状
サイドバックの歴史がわかる記事です。
今後どうなっていくかはわかりませんが、サイドバックは間違いなく目が離せないポジションと言えます。
この記事を読んで少しでも気になってくれたら嬉しいです!!
他のポジションは以下から見れます。
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