昭和の幸運物語。「カレーライスの唄」の感想。

ちょっとした行動力が運を呼ぶ。

今回、紹介する本は昭和を舞台にした小説「カレーライスの唄」です。

この小説は簡単に言えば日常系のお話。

カレーライス屋さんをオープンするまでを中心とした一人の青年 の物語です。
少しの行動で大きな運をもたらした、そんな夢のある昭和の日常を描いています。

カレーライスの唄について紹介

ここからはカレーライスの唄について紹介していきます。
これを読めば詳細がわかります。

作者紹介

阿川弘之

1920(大正9)年広島県生まれ。東京帝国大学卒業後、海軍予備学生として海軍に入隊。中国大陸で敗戦を迎え、1946(昭和21)年に復員。志賀直哉に師事し、「年年歳歳」で作家デビュー。すぐれた戦争文学を数多く発表する。「山本五十六」「米内光政」「井上成美」の海軍提督三部作、「志賀直哉」など、評伝文学においても大きな業績を残した。また食通、鉄道好きでも知られ、「きかんしゃやえもん」は児童文学のロングセラーとして読み継がれている。2015(平成27)年没。

カレーライスの唄のあらすじ

会社倒産で職を失った六助と千鶴子。他人に使われるのはもう懲り懲り。そこで思いついたのが、美味しいカレーライスの店。若い二人は、開業の夢を実現できるのやら?そして恋の行方は?邪魔する奴もいれば、助けてくれる人もいる。夢と希望のスパイスがたっぷり詰まった、極上エンタメ小説!食通で知られた、文豪・阿川弘之が腕を振るった傑作!

筑摩書房

カレーライスの唄の見どころ

    • 今に通じるかもしれない生き方

主人公の六助は会社が倒産したことで、カレー屋さんをオープンさせます。会社に頼らない、他人に使われるのが嫌と言う理由からです。それは今の生き方の一つではないでしょうか。

    • 昭和らしい人たち

義理や人情、優しさなど、今の時代にはあまり見せない感情を持つ人たちが多く登場します。そう言った人達を見ていると良い時代だなと感じるはずです。

    • 六助と千鶴子さんの恋

この作品の主人公とヒロインの恋にも注目して欲しいです。情熱的な描写はないけれど、少しずつお互いを意識していく関係は憧れをもちます。

カレーライスの唄の感想

昭和の生活の一部を切り取ったような物語。誰にでもある日常の些細な変化や運が現実のように感じられる小説でした。

この小説には大きな変化や急展開な物語はありません。あるとしたら徐々に株が上がるくらい。

日々過ぎていく日常の中で、主人公の六助と千鶴子さんが少しずつ惹かれながら、カレーライス屋さんを開いていくというお話となっています。

ですが、ただ明るいだけではなく、六助には父親を戦犯として処刑された過去や会社倒産という暗い部分も書かれています。

幸せだけの人なんていません。

だから、リアルな人間味を六助から感じることができるはずです。

そして、六助や千鶴子さんの周りの人たちの魅力もこの小説を読むにあたって欠かせないかもしれません。

ネタバレを含む感想

主人公の桜田六助が勤めている出版社「百合書房」は経営が圧迫していました。
それがきっかけで少しでもお金を得る為に六助と千鶴子は本を直接売る行商をすることにします。

そこで出会った会社の株が上がる可能性があることから主人公たちは株を買います。
そして、これが一攫千金をもたらします。

この本が書かれたのは昭和三十年代頃です。戦争が終わって二十年くらいたった時で高度成長期に沸いていました。この時代も株のブームが起こっていたらしいです。物価に関して言えばかなりの安さです。本編を読んでいればビックリすると思います。

率直に思ったのは、今の時代でもありうることだということ。いつ会社が倒産するかわからなかったり、クビになるかもしれない現代。そんなことが降りかかってもいいように副業をするのが一般的になっています。

その副業の一つが株です。この物語では株で成功しています。ここまで成功するのは難しいですが、こうしたほうが今後良いかもという道しるべになる内容でした。

しかし、無職が株で成功するのはうらやましい。六助と千鶴子は会社が倒産したことで、お互いどん底から這い上がっていきます。それは急にではなく緩やかにです。その日常の中で、株がかなり関ってきます。むしろ重要な内容として。そして、その株が資金となり、「ありがとう」というカレー屋さんをオープンさせます。

その歩みや人々の係わりがリアルな日常に感じて凄く読みやすい内容でした。

日常系の小説が好きな人にはおススメの内容です。

古き良き昭和を味わってみませんか。




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