コインの表裏のように何かが変わると全てが変わって見える小説を紹介します。
QEDシリーズの第1巻
「QED 百人一首の呪」
今回は高田崇史さんの書いた歴史ミステリーのような小説です。
☑ 本記事の内容
- 作品紹介
- 感想
QED 百人一首の呪を読んで
高田崇史さんの作風は、歴史を違う解釈で再構築していくものになっています。
その解釈が事件と結びついていく、歴史ミステリーというようなジャンルです。
歴史好きにオススメな小説だと思います。
そんな高田崇史さんや小説の内容について書いていきます。
作者紹介
高田崇史
『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に「カンナ」シリーズ、「QED」シリーズ、「鬼神伝」シリーズ、「千葉千波の事件日記」シリーズ、『軍神の血脈 楠木正成秘伝』などがあります。
公式HPはここからどうぞ。
本のあらすじ
百人一首カルタのコレクターだった、サカキ・トレーディング社長、真榊大陸が自宅で何者かによって殺害されていた。その手には百人一首の札が握りしめられながら。
関係者は皆アリバイがあり、事件は難航・・・。
そこでジャーナリストの小松崎は友人・桑原に事件解決を持ちかける。
桑原は事件の概要に興味を示しつつも百人一首の方が気になる。
そこで偶然再開した棚旗奈々と共に、百品一首に隠された秘密の解明を始める。
そして、そこに隠された真実が殺人事件と関係してくるのであった。
主な登場人物
桑原 崇(くわばら たかし)
通称、タタル。歴史に詳しい、萬冶漢方(漢方薬局)勤務の薬剤師。
棚旗 奈々(たなはた なな)
ホワイト薬局勤務の薬剤師。桑原 崇と再開したことで事件や歴史の新たな一面を知ることに。
小松崎 良平(こまつざき りょうへい)
熊に似た佇まいから通称は、熊つ崎。ジャーナリスト。
見どころ
見どころは百人一首です。
百人一首とは平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰のことを言います。
その百人一首が殺人事件の現場にあったことで、事件との関連性を疑われることに。
そこで歴史に詳しい桑原 祟に、この解明が持ちかけられます。
桑原はこの謎に果敢に挑み、ある結論を導き出すことに成功。
この謎は深く壮大なものになっているので、見どころです。
歴史が好きな人にはオススメの作品です。新しい史実や解釈がわかるので、知識が広がります。
QED 百人一首の呪の感想
ここからはネタバレも含まれています。
人によっては好みが別れる内容だと思いました。
理由は
「百人一首の謎解きと事件の謎解きが関連していない」
「あれは推理小説じゃない」
「古文が多くて疲れる」
などなど……。
この小説のほとんどは、百人一首の謎の解明がメインです。
ミステリー小説でありながら、事件についてはそれほど深くは書いていません。
なので、王道ミステリー好きの人にとっては物足りなさがあると思います。
個人的には歴史好きの小説だと感じます。
でも、徹底的に百人一首の謎解きに重心を置いているので、すごく壮大で読み応えはあります。
読み飛ばしたくなる部分はあっても、それでも面白いと感じてしまうのが凄いです。
全ての秘密がわかったときにはスッキリ感がありました。
中学高校のときに習った百人一首にこんな秘密が隠れていたのかと。
もう一度しっかりと勉強したいと思ってしまうほどです。
事件の方は専門的な知識がトリックになっていたので、わからないと思います。
それに対してどう思うかは人それぞれです。
私はエッとなりましたが、それ以上に百人一首の謎が凄すぎて、
そっちでお腹いっぱいになりました。
なので、歴史が好きな人にはすごくオススメです。
私は好きだったのでシリーズを読んでいこうと思います。
もし興味があれば読んでみて下さい。
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