ポジショナルプレーってなんだろう?
こんな悩みについて解説をしていきます。
ポジショナルプレーと言う言葉は現在のサッカーでは当たり前のように使われる言葉です。
でも、実際はどんな内容なのか、イマイチ良くわからなかったりしませんか?
なので今回はポジショナルプレーについて、自分の解釈を書いていこうと思います。
☑ 本記事の内容
- ポジショナルプレーについて
- ポジショナルプレーとポゼッションの違いについて
サッカーの戦術用語を詳しく知りたい人やサッカーを詳しく知りたい人向けの記事になっています。
この記事を生かすことでプロの試合をより楽しむこともできます。
それではさっそく解説をしていきますね。
ポジショナルプレーについて徹底解説
ポジショナルプレーという言葉は幅広く使われています。
でも、それを説明にするのは非常に難しい言葉です。
そもそもサッカーの戦術は過去の焼き回しといわれています。
過去の理論にひと工夫をすることは可能でも0から作り上げることは不可能。
多くの監督がバトンを繋ぐように思想を発展させていく。
それが戦術とされていました。
しかし、グアルディオラは、その定説を覆すようなアイデアを次々と考えていきました。
それがポジショナルプレーと呼ばれる要素です。
引用:https://web.gekisaka.jp/news/detail/?176807-176807-fl
ポジショナルプレーの発端となった試合
引用: https://www.soccerdigestweb.com/topics_detail9/id=9461&repeatCnt=16
ポジショナルプレーが広がった経緯には、CL決勝戦で見せた、グアルディオラのある戦術がありました。
2010−2011シーズンのCL決勝戦。マンチェスターユナイテッド戦です。
3-1で完勝した、この一戦は多くの人の価値観を変えたと思います。
それが世界最高峰の選手、メッシの0トップという戦術でした。
メッシはCFでありながら中盤に降りる戦術。これによってユナイテッドの2CBは、マークする相手がいなくなってしまったという混乱が生じました。それによって中盤の枚数が増えて、試合を制圧したのです。
そして、ドイツのバイエルンに行ったことで多くの人が知ることになりました。
グアルディオラが率いたFCバルセロナは、一つの哲学の元で集合体のように意思疎通ができていました。しかし、バイエルンは違います。1から新しい哲学を植え付けなければならない状態でした。そこで理解してもらえるように徹底的に理論化することにしたのです。
ポジショナルプレーとは何なのかを解説
ポジショナルプレーとは概念です。
戦術ではなくその上の考え方がポジショナルプレーになります。
例えば0トップはCFが下がる戦術です。
相手のCBがカバー仕切れないエリアまで下がることで、CFは自らがいたエリアにスペースを生み出し、比較的プレッシャーの弱い状況でボールを受けることができます。
このように配置のズレを作るのが戦術です。
それに対して、ポジョナルはポジショナルプレーは、さらに上の階層に位置しています。
戦術における原則を定める概念。
要はポジショナルプレーをするために戦術を作ると言うことです。
ポジョナルプレーを学ぶことによって、複雑化する様々な戦術は単純化されます。
戦術を詳細な地図に例えると、ポジショナルプレーはgooglemap。ピッチにいる11人にとって、複雑化する状況を助けるシンプルなルールになります。
選手同士で地図を共有するには高い理解が必要です。
でも、共通のgooglemapがあれば難しいことではありません。
どのようなことがあっても、最終的には目的地に着けます。
この共有意識こそがポジショナルプレーです。
戦術は様々な面で使い分けます。でも、ポジショナルプレーは概念だから使い分けない。
チームの決められたルールです。
もっと簡単に例えるなら、料理をイメージして下さい。
お腹がすいた→カレーを食べよう→レシピ通り調理。
これが料理を作るときの流れですよね。
お腹を満たすためにカレーを作る。でも、調理の仕方はたくさんあります。
カレーは変わらないけど、調理法はその都度違う。
これをポジショナルプレーに置き換えると
勝ちたい→ポジショナルプレー→戦術
勝つためのポジショナルプレーは変わらないけど。無数にある戦術から今日の試合にあったものを選ぶ。
最終目的を達成するために決めごとをして、最適な方法を考えると言う考え方です。
ポジショナルプレーに必要な3つの概念とは?
- 数的優位性
- 質的優位性
- 位置的優位性
ポジショナルプレーには3つの概念、ルールがあります。
それを作り出すことが勝利の鍵になります。
その概念とは、3つの優位性です。
その優位性を追い求めていくことで、ライン間にフリーマンを作り出すことが勝利に繋がります。
ポジショナルプレーの概念①:数的優位性
サッカーは同人数です。退場しない限り変わりません。
この場合の数的優位とは、ピッチのある場所における人数の差になります。
そこが多ければ、フリーの選手が生まれます。
常に見方をサポートできる意識を持ち、数的優位を生み出す位置を保つことは重要です。
数を意識することは同時に、チームメイトの位置と敵の位置を意識することに繋がります。
ある場所での数的優位を繰り返すことで、奪われるリスクを軽減しながら、ボールを運ぶこと。
それが、ポジショナルプレーを掲げるチームには必要な考え方です。
ポジショナルプレーの概念②:質的優位性
マッチアップする相手に対して能力的に上回ることです。
ドリブルが得意な選手ならスペースにボールを運ぶようなドリブルで相手より優位にたてます。
背の高い選手なら相手に競り勝つことで優位性を作ることができます。
ポジショナルプレーの概念③:位置的優位性
位置的優位性とは、ボールを受けるポジショニングによって生じる優位性のことです。
相手の陣地において空白となるスペースに侵入して、ボールを受け流ことで優位性が生まれます。
DFの間でボールを受けることで、瞬間的に相手に迷いが生まれます。サイドバックとCBの間に存在するレーンをハーフスペースと呼びます。そこは空白になりやすい場所です。
そこに侵入して、相手の誰か1人でも迷いを生み出すことができれば、別のスペースでも数的優位性を生み出すことができます。その連鎖がゴールに繋がるのです。
ポゼッションとの違いについて
ポジショナルプレーの目的は組織を崩壊させてゴールを奪うことです。
ポゼッションと似ていますが、ただボールを回すだけのティキ・タカとは違います。
ポゼッションとは3つの優位性を作るための手段です。
ポジショナルプレーは目的。ポゼッションはそれをするための手段。
ですが、似ているのも理解はできます。
ボールを保有するのは先手状態。
有利な状態を作るのは大切な戦術です。
ボールの位置に従って人は動きますが、ボールは人よりも速く動かすことが可能です。
ボールを動かすことで、相手の守備はそれに対応しなければならなくなります。
最小限のタッチで動かされると、守備陣形にギャップが生じ始めます。
特に攻撃的な選手は、守備のズレを生み出しやすい。
そのズレを解消しようとして他の選手が動く距離が増えれば、そこを埋めようと別のエリアにもギャップが生まれる。このように連鎖的に敵陣を動かすことで、崩すエリアを作れます。
また、ポゼッションを使うことで時間を生み出すことができます。
自軍の選手が正しい位置へと移動させるためには、その移動時間を生み出す必要があります。
カウンターを防ぐこともポジショナルプレー
相手の陣内を崩すことは、カウンターを防ぐこともできます。
現在のサッカーは攻撃と守備だけではなく、そこに攻守の境目もあると言う解釈になっています。
攻撃が失敗したら、一度下がって守備をする。
それが一般的でした。
しかし、今はカウンタープレッシングと呼ばれるものができました。
攻撃から守備に変わる瞬間に即ボールを奪うプレッシングです。
そうすることで守備の局面になる前に攻撃に戻すことができます。
このカウンタープレッシングを好むのがクロップ監督です。
引用:https://www.businessinsider.jp/post-102956
パスをつないで生み出した密集地帯で即座に相手を取り囲むことができれば、相手に攻撃の時間を与えずに妨害ができる。
この境目の守備から攻撃を武器にしているのがリヴァプールです。
これも守備戦術ではなく、攻撃的な戦術になります。
グアルディオラとクロップの違いは、どこに焦点を置くかと言うことです。
グアルディオラは、密集地帯で見方の優位性を作り、相手をずらしてゴールを奪う。
クロップは、密使地帯でボールを奪い、素早いカウンターで一気にゴールを奪う。
どちらもポジショナルプレーです。
ポジショナルプレーの弱点
ポジショナルプレーにも弱点はあります。
即座にボールを奪う。そういったハイプレスは、回避されると数的不利でピンチにもなります。
あるエリアを制するとあるエリアでは負けてしまうと言うことです。
グアルディオラのチームが脆いのはこの部分です。
ハイリスクハイリターンな考え方かもしれませんが、その分、ハマれば強いのがポジショナルプレーです。
ポジショナルプレーについてのまとめ
ポジショナルプレーとは勝つための目的でありルール。
戦術を考える前の決めごとです。
数的優位性、質的優位性、位置的優位性
この3つを守ることでチームが同じ考えのもとプレーができます。
ポゼッションはポジショナルプレーを叶えるための手段。
ボールを動かすことで、見方と敵を誘導する。
ボールを取られても密集しているから、すぐに奪還ができる。
でも、網を抜けるとピンチになる諸刃の剣でもある。
これがポジショナルプレーです。
難しい考え方だと思いますが、少しでも理解してい頂けると嬉しいです。
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