【ひとりごと】イランで体験した不思議な話

これはわたしが実際に体験した話です。

わたしは大学3年になる前の冬休みにイランに行きました。

当時、在籍していたゼミの恒例行事の旅行のためです。
この恒例行事は、3年生になる前の時に、同学年と先生で旅行に行くというもの。

毎年、東南アジア周辺に行くのが決まりでしたが、
その年はゼミが始まって10年の節目ということで、
イランに行くことになりました。

イランは中東の国の一つで、当然、反対されました。
しかし、それを押し切って行くことになったのです。

それが不思議な体験に繋がるとは、思いも寄りませんでした。

イランの旅行は何事もなく進みました。

向こうの人は優しく、気さくに声をかけてくれる人ばかり。
映画のセットのような神殿やモスク、市場など、その全てが新鮮で、毎日が充実していました。
食べ物は似たようなものばかりだったけど、とても美味しかったのを今でも覚えています。

そんな、楽しかった経験はあることで、半減していきます。

あるホテルでの出来事。

早朝、ロビーに集合ということで、自分の部屋を出て、
エレベーターに向かいました。

ボタンを押すとゴーッという音を立てて、自分の階に来ました。
イランのエレベーターは自動扉ではなく、自分で開ける式のエレベーター。

ギーッという音を立てながら開けた扉の中には誰もおらず、
シーンとしていました。

とりあえず扉を閉めて、1回のボタンを押すとエレベーターが動き始めました。
中は軽快な音楽が流れ、まるでアトラクションのよう。

そんな音楽を楽しんでいると、ガタンと突然、エレベーターが止まったのです。

当然、一階に着いてと思い、エレベーターの扉を開けました。
ギーッという音を立てて開けた先は、壁。

レンガで作られた赤い壁がありました。

閉じ込められた…そう一瞬で判断しました。

「どうしよう…」

「どこでも良いから近くのボタンを押せば…」

そう思い、全てのボタンを押すも、光だけで反応なし。

「呼び出しボタンを押そう。イランの言葉はわからないけど、ヘルプと言えばわかってくれるはず…」

そう思って、呼び出しボタンを押すも無反応。
長押しかと思って押すもこれも無反応。

携帯は海外で使えないし、圏外。

この時の時間は永遠のように感じました。

密室に閉じ込められたこともないから、これは夢かと疑いもしました。

しばらくして、突然エレベーターが動き始めたのです。

ガタン、音を立てて止まったエレベーター。

全てのボタンを押していたので、何回に着いたわからず、
勇気を振り絞って扉を開けました。

ギーッ、するとそこには漆黒の闇が広がっていました。

部屋の奥は見えない。エレベーターの微かな明かりから見えるのは、
レンガ作りの壁とハムナプトラの神殿のような砂の地面。
壁に何かかかっているけど、わからない。
明らかに今までの建物と雰囲気が違いました。

「地下?…一応、部屋に着いたから階段を探せば…」

そう思って、辺りを見ても明かりらしきものがない。

この部屋の何年も使っていないような雰囲気と暗闇が恐怖の感情を押し上げていきました。

「もしここを出て階段を探しても、エレベーターが来ない可能性がある」

そう思い、すぐにエレベーターの扉を閉めました。

「またいつになったら動くのか…」

ボタンは全て押されっぱなし、呼び出しも出ない。
そんな、時間が長く続きました。

そして、ガタンと音を立てて、またエレベーターが突然動き始めたのです。

「えっ、動いた…次はどうなるの」

そんな恐怖から、恐る恐る扉をギーッと開けてみると、そこは1階のエントランスでした。

やっと着いたという安心感と今までのは何だったのかという不思議な気持ちで、頭が混乱しました。

フロントにエレベーターの呼び出し音のことを尋ねると
呼び出しされていないと言われ、友達にかなり閉じ込められたことを話してもエレベーターは故障してなかったと言われました。

「あのことは何だったのだろうか…」

ふっーっというため息と共に一人だけ、陽気な雰囲気から取り残された気分でした。

今でも疑問なのは、最初に1階しか押していなかったのに、あの部屋の雰囲気は1階よりも下、地下のようだったことです。

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